2020年08月06日
コラム
M&Aブームの光と影(その1)
コーディネーターの井上です。
ここ4、5年くらいでしょうか、中小企業・小規模事業者においても、M&Aの利用が浸透してきましたね。
国や地方自治体が事業承継を支援するため打ち出した施策において、親族外承継を1つの柱として打ち出していることもあり、小口のM&Aをお手伝いする事業者さん(以下、FAといいます)が増えていて、彼らが夜間のニュース番組への提供実施や軒並みDMの発送など、積極的な営業活動を展開していることも背景といえるでしょう。
しかし、本質的には、(原則的なM&A)は、非上場会社の株式の相対取引となる訳です。
上場している会社の株式売買であれば、金融商品取引法(以下、金商法といいます)で販売対象となる株式会社と証券取引業者(証券会社だけでなくFAも含む)や会計士に、金融商品販売法(以下、金販法といいます)では証券取引業者(前に同じくFAを含む)に、適正な情報開示や断定的判断の提供および不招請勧誘の禁止など、投資家(すなわち買い手)保護の措置の履行を課していますが、非上場だとそうした保護措置は“極めて”脆弱なのです。
昔から言われる通り、「上手すぎる話には裏がある」と考えなくてはいけません。
特に注意しなくてはならないのは、「休眠会社の売買」です。
偶々、というか、相談内容を見て、私にエスカレーションされてくる事案が、年に何件かあります。
そうした事案に共通していることは、以下の点です。
●自称「専門家」(士業の資格も含め)という方が「すべて任せてくれ」という
●「この会社には問題はない」と資料提示もしない段階でいってくる(ネガティブな情報の開示が一切ない)
●会社(株式)を譲ってくれる売り手と面談させずに契約させようとする
●売買金額やFA手数料について、何も根拠を示さずに呈示してくる
●とにかく急がせる
残念ながら、会社の代表者や個人事業主という立場にある場合、売り手やFAが金商法や金販法に定められた投資家保護措置を充分に講じている否かを問う際の裁判所の判断は
経営者・事業主は「普通の方(サラリーマンや主婦)よりも、注意力や判断力は高い」のです。
よって、後から「騙された!」と分かっても、救済は受けられづらいのです。
そこで、気をつけていただきたい点を、以下に記します。
○何件、何年くらいFAとして案件を担当したかを訊いた際に、答えられるか
○資料開示やM&A支援の契約前に、秘密保持契約の締結を求めた際に、応じるか
○決算書一式(税務申告書類{法人税、消費税、市県民税}や勘定科目明細)に加え、総勘定元帳の呈示を求めた際に、応じるか
○会社が抱えているネガティブな情報(裁判沙汰になる前のトラブルや税金の未納、支払い遅滞など)の開示を求めた際に、応じるか
○交渉中の段階でもトップ面談の設定を求めた際に、応じるか
○売買額やFA手数料の金額について、合理的な根拠を添えた呈示を求めた際に、応じるか
○やたら急がせられることに対して「時間が欲しい」といった際に、待ってくれるか
もし、
「M&Aをお考えですが、どう進めたら良いか分からない」
「専門家や業者が持ってきた話を、進めて良いか判断できない」
といった疑問や疑念がありましたら、よろず支援拠点のコーディネーターまで何なりとご相談ください。

ここ4、5年くらいでしょうか、中小企業・小規模事業者においても、M&Aの利用が浸透してきましたね。
国や地方自治体が事業承継を支援するため打ち出した施策において、親族外承継を1つの柱として打ち出していることもあり、小口のM&Aをお手伝いする事業者さん(以下、FAといいます)が増えていて、彼らが夜間のニュース番組への提供実施や軒並みDMの発送など、積極的な営業活動を展開していることも背景といえるでしょう。
しかし、本質的には、(原則的なM&A)は、非上場会社の株式の相対取引となる訳です。
上場している会社の株式売買であれば、金融商品取引法(以下、金商法といいます)で販売対象となる株式会社と証券取引業者(証券会社だけでなくFAも含む)や会計士に、金融商品販売法(以下、金販法といいます)では証券取引業者(前に同じくFAを含む)に、適正な情報開示や断定的判断の提供および不招請勧誘の禁止など、投資家(すなわち買い手)保護の措置の履行を課していますが、非上場だとそうした保護措置は“極めて”脆弱なのです。
昔から言われる通り、「上手すぎる話には裏がある」と考えなくてはいけません。
特に注意しなくてはならないのは、「休眠会社の売買」です。
偶々、というか、相談内容を見て、私にエスカレーションされてくる事案が、年に何件かあります。
そうした事案に共通していることは、以下の点です。
●自称「専門家」(士業の資格も含め)という方が「すべて任せてくれ」という
●「この会社には問題はない」と資料提示もしない段階でいってくる(ネガティブな情報の開示が一切ない)
●会社(株式)を譲ってくれる売り手と面談させずに契約させようとする
●売買金額やFA手数料について、何も根拠を示さずに呈示してくる
●とにかく急がせる
残念ながら、会社の代表者や個人事業主という立場にある場合、売り手やFAが金商法や金販法に定められた投資家保護措置を充分に講じている否かを問う際の裁判所の判断は
経営者・事業主は「普通の方(サラリーマンや主婦)よりも、注意力や判断力は高い」のです。
よって、後から「騙された!」と分かっても、救済は受けられづらいのです。
そこで、気をつけていただきたい点を、以下に記します。
○何件、何年くらいFAとして案件を担当したかを訊いた際に、答えられるか
○資料開示やM&A支援の契約前に、秘密保持契約の締結を求めた際に、応じるか
○決算書一式(税務申告書類{法人税、消費税、市県民税}や勘定科目明細)に加え、総勘定元帳の呈示を求めた際に、応じるか
○会社が抱えているネガティブな情報(裁判沙汰になる前のトラブルや税金の未納、支払い遅滞など)の開示を求めた際に、応じるか
○交渉中の段階でもトップ面談の設定を求めた際に、応じるか
○売買額やFA手数料の金額について、合理的な根拠を添えた呈示を求めた際に、応じるか
○やたら急がせられることに対して「時間が欲しい」といった際に、待ってくれるか
もし、
「M&Aをお考えですが、どう進めたら良いか分からない」
「専門家や業者が持ってきた話を、進めて良いか判断できない」
といった疑問や疑念がありましたら、よろず支援拠点のコーディネーターまで何なりとご相談ください。
