2021年10月28日
うまい(上手すぎる)話には気をつけて…
コーディネーターの井上です。
我々は「よろず」というくらいなので、色々なご相談をお受けしていますが、
今回は、事業主(経営者)の方に、改めて気をつけてほしい…というお話しです。
「善管注意義務」という言葉があります。

上の画像でハイライトされている中で、「当該職業又は地位にある人として通常要求される程度の注意義務」がポイントです。
ここでいう“当該職業または地位”が、法人の代表者たる会社役員であったり、個人事業の事業主本人であったりすると、法人に雇用されている(一般の)従業員や個人事業の青色専従者に比して、“通常要求される程度”は高いのです。
それゆえ、法人の取締役においては、この善管注意義務を怠った結果として、法人に損害を与えた場合、当該取締役個人へ損害賠償責任が生じる…との規程が会社法に定められています。

↑クリックすると「e-gov法令検索」の該当頁が、新しいウィンドウで開きます。
具体的には、以下の場面で当該取締役に対する損害賠償責任(「任務懈怠責任」という)が生じます。
(1)法令等に違反する行為をすること
(2)監視・監督義務を怠ること(会社の違法行為を見逃すこと)
(3)経営判断の失敗により会社に損害を与えること
ですので、
「貴社だけに特別にご案内します、他言しないでください」
「今すぐ契約しないと、特別枠が埋まってしまいますよ」
などと、仔細な内容を検討する時間を与えずに、契約締結や取引開始を急かす話は、
『上手すぎる話』
『危ない話』
と思ってください。
そうした契約や取引を急かすパターンで、契約書(あるいは、らしきもの)を呈示してきたが、契約を急かされて合意(署名捺印)してしまうと、
「その場で読む暇がなくて気付かなかった」という言い訳は通じないのです。
取引や契約の条件について、文書呈示の有無は兎も角、事前に伝えないのは論外ですが、事前に契約書などを投げられてしまった場合は、一度合意する旨返事してしまうと、貴社の代表者(事業主本人)は「読んでいない」契約書についても、その内容に合意した…という話になるのです。
事業をしていて「新たな取引や契約が取れる」ことは喜ばしいことですが、よくよく気をつけて交渉していただきたいと思います。
当拠点では、木曜日午後(13:30~17:00/ご予約が必要です)に弁護士相談をご用意しております。
対面でのご相談はもちろん、Zoomやお電話でのご相談も承っております。
「上手すぎる話」「危ない話」と思ったら、相手方に返事をする前に、ご相談をいただくことをお薦めいたします。
我々は「よろず」というくらいなので、色々なご相談をお受けしていますが、
今回は、事業主(経営者)の方に、改めて気をつけてほしい…というお話しです。
「善管注意義務」という言葉があります。

上の画像でハイライトされている中で、「当該職業又は地位にある人として通常要求される程度の注意義務」がポイントです。
ここでいう“当該職業または地位”が、法人の代表者たる会社役員であったり、個人事業の事業主本人であったりすると、法人に雇用されている(一般の)従業員や個人事業の青色専従者に比して、“通常要求される程度”は高いのです。
それゆえ、法人の取締役においては、この善管注意義務を怠った結果として、法人に損害を与えた場合、当該取締役個人へ損害賠償責任が生じる…との規程が会社法に定められています。

↑クリックすると「e-gov法令検索」の該当頁が、新しいウィンドウで開きます。
具体的には、以下の場面で当該取締役に対する損害賠償責任(「任務懈怠責任」という)が生じます。
(1)法令等に違反する行為をすること
(2)監視・監督義務を怠ること(会社の違法行為を見逃すこと)
(3)経営判断の失敗により会社に損害を与えること
ですので、
「貴社だけに特別にご案内します、他言しないでください」
「今すぐ契約しないと、特別枠が埋まってしまいますよ」
などと、仔細な内容を検討する時間を与えずに、契約締結や取引開始を急かす話は、
『上手すぎる話』
『危ない話』
と思ってください。
そうした契約や取引を急かすパターンで、契約書(あるいは、らしきもの)を呈示してきたが、契約を急かされて合意(署名捺印)してしまうと、
「その場で読む暇がなくて気付かなかった」という言い訳は通じないのです。
取引や契約の条件について、文書呈示の有無は兎も角、事前に伝えないのは論外ですが、事前に契約書などを投げられてしまった場合は、一度合意する旨返事してしまうと、貴社の代表者(事業主本人)は「読んでいない」契約書についても、その内容に合意した…という話になるのです。
事業をしていて「新たな取引や契約が取れる」ことは喜ばしいことですが、よくよく気をつけて交渉していただきたいと思います。
当拠点では、木曜日午後(13:30~17:00/ご予約が必要です)に弁護士相談をご用意しております。
対面でのご相談はもちろん、Zoomやお電話でのご相談も承っております。
「上手すぎる話」「危ない話」と思ったら、相手方に返事をする前に、ご相談をいただくことをお薦めいたします。